大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24新(れ)538 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人等の負担とする。

理 由

被告人両名の弁護人河和金作の上告趣意第一、二点について。

しかし、刑法二五条の規定には「其執行ヲ猶予スルコトヲ得」との明文があつて、

刑の執行を猶予するか否かは、刑の言渡を為すべき裁判所が諸般の事情を参酌して

決定すべき裁量事項に属することは当裁判所の確立した判例である。そして、原判

決は、その裁量に基き刑の執行猶予を与えなかつただけで、何等執行猶予に関する

法律上の見解を示してその法律上の判断を与えていないし、また、その裁量につい

て違法の点も認められない。されば、所論は、明らかに刑訴四〇五条三号に当らな

いし、また、同四一一条を適用すべきものとも思われない。

同第三点及び第五点について。

原審においては、第一審の認定した犯罪事実並びにその認定手続については毫も

争がなく、且つ原判決は第一審判決の確定した事実を基礎としたものであるから、

原判決は第一審判決の認定したと同一の事実並びに証拠を引用したものと解するこ

とができる。そして、刑の量定に関する情状については訴訟法上証拠の挙示を要し

ないものである。されば、所論は結局単に原判決における訴訟法違反を主張するに

過ぎないものといわなければならない。従つて、所論は、刑訴四〇五条一号に当ら

ないし、また同四一一条を適用すべきものと認められない。

同第四点について。

所論は、原審において争なく、従つて、原審の職権調査事項に属する事実の誤認

を新たに主張するものであるから、原判決に対する上告適法の事由を定めた刑訴四

〇五条所定の事由に明らかに該当しないし、また、同四一一条を適用すべき場合と

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も認めることができない。

被告人両名の弁護人和島岩吉の上告趣意第一、二点について。

所論は、いずれも原判決における訴訟法違反の主張であるから、明らかに刑訴四

〇五条所定の上告適法の事由に該当しない。

同第三点について。

所論は、要するに量刑不当の主張であるから、刑訴四〇五条に定める上告適法の

事由に当らないし、また、同四一一条を適用すべきものとも認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条に従い、裁判官全員一致の意見

で主文のとおり決定する。

昭和二五年九月七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 岩 松 三 郎

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